忘れ得ぬことども

ICQ導入

 一昨日からICQを導入してみました。すでにのべ1000万人近くの加入者がいて、今更な感じもありますが、一応ご存じない方のために説明すると、イスラエルミラビリス社という、ほとんど20代の青年ばかりの会社で作った通信ソフトです。
 ネット上で無料配布しているだけなので、この会社が一体どうやって収益を上げているのか謎なのですが、ともかく、他の加入者がネットにアクセスしているかどうかを一目で判別することができ、アクセスしている相手とはリアルタイムで交信ができるというものです。なおICQの語源は、「I Seek You(あなたを捜しています)」がなまったものだとか。
 いやな相手には自分のアクセスを隠しておくこともできますし、人が勝手にコンタクトリストに載せるのを拒否する方法もあります。そのあたりのセキュリティは一応考えられています。
 日本語版が出ていないのが欠点と言えば欠点ですが、マニュアルを全て翻訳してあるサイトがあるので、そこを見れば、私のように英語の苦手な人でも簡単に導入できます。
 導入初日から早速コンタクトしてきたネット友達がいたり、昨日などは蜿蜒5時間くらいICQで会話したりしてしまいましたので、だいぶ使い勝手にも馴れて参りましたが、今までのところ、
 ――メールよりはお手軽だが、チャットよりは面倒。
 という感じです。長々と話したい場合はやはりチャットの方がずっと便利です。上の、長時間ICQ会話した相手というのは、会社のコンピュータで上司の眼を盗みながらアクセスしていたOLさんで、チャットの画面を大っぴらに拡げているわけにはゆかないため、ICQでの会話を好んでおられるようです。会社の機械なら課金も電話代も会社持ちでしょうから、いいんですけどね……(^_^;;
 ICQ独自のチャット機能というのもついているようですが、日本語が使いずらいらしいのであまりよくないとか。
 まだ他にもいろいろな機能がありそうですが、一昨日導入したばかりの私にはよくわかりません。
 漠然とした感触ですが、ポケベルのように使うのがいちばん妥当な気がします。話したい相手に対し、どこそこのチャットで待つとか、そういう連絡をする。あるいは、メールを出すまでもないような軽い伝言を送る。
 ICQを本格的に活用しようと思えば、みんながネットに常時つないでおく必要があります。日本ではまだ、ネットのための電話料金が高いので、常時つないでおくなどという人はそれこそ社用族くらいなものでしょう。テレホタイムのようなものが全面的に拡大され、ネット通信のための固定料金制度が確立されるまでは無理な話です。つまり、日本は、ICQを完全活用するための条件が整っておらず、従ってまだそれほどメジャーにもなっていないのではないかという気がします。
 まあ無料ですし、ソフトもせいぜい1メガバイト半程度の大きさなので、特に損することもないと思って導入しましたが、いくつかこちらでリストアップした相手のうち、比較的以前に導入した人たちは、現在ではあまり活用していないらしい気配です。やはり、日本ではまだ使いずらいものなのかもしれません。

(1998.3.19.)

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