MIC's Convenience
第1回オフ会報告(その2)
いきなり挫折??JR山手線浜松町駅から日の出桟橋までは、橋上の通路をしばらく歩き、そのどん詰まりで外へ出て、川をひとつ(芝浦運河)と大きな道路をひとつ(首都高速羽田線)渡って約10分弱です。 外に出ると、ほんとに申し訳ないくらいの快晴で、文字通り雲ひとつありません。寒くもなし暑くもなし、アウトドアレジャーに最適の日です。 道路の脇に新交通システムゆりかもめの高架線があり、それをくぐると水辺に出ます。ここは海なのか隅田川の河口なのか微妙なところですが、向こうにはレインボーブリッジの均整のとれた姿。 「ほら、レインボーブリッジが見えますよ」 私がみんなに向かって指摘すると、いつの間にかAKO姉様と話をしながら歩いていたどこかのおじさんが、 「ほぉぉ、あれがレインボーブリッジかい」 と素っ頓狂な声を上げました。 「そんで、船にはどこから乗ればいいんかい」 「どこって、そこがもう乗り場ですよ」 私は「日の出客船のりば」と書いてある小さな建物を指さしました。 日の出桟橋からは、浅草、船の科学館、しながわ水族館、葛西臨海公園などへ向かう「水上バス」と呼ばれる船が頻繁に発着しています。 もっと遠くへ行く大型船は、上流側に隣接した竹芝桟橋に着くので、いわば竹芝が長距離用プラットフォーム、日の出が近郊用プラットフォームといったおもむきがあります。これから乗ろうとしている、横浜行きの船も、この日の出桟橋から出ます。 さっきのおじさんがここまでついてきて、出航時刻案内板を見ながらうろたえていました。 「あんたら、どこまで行くのかね」 「横浜ですが」 「ははあ横浜。そしたら、わしゃどれに乗ればいいのかね?」 知るか、そんなこと(^_^;;と思ったものの、そこは親切に、 「東京港めぐりの便にでも乗ったらどうでしょう?」 と教えてあげました。 それでもうおじさんはほっといて、自分たちの切符を買いに窓口へ。 「横浜まで、5枚」 窓口で私がそう言うと、出札係のねーちゃんが、 「13時40分の便でしたら、欠航になりましたが」 をいをいをいっ!! そりゃないだろっっ!! 私が愕然としていると、ねーちゃんは重ねて、 「代わりに14時30分というのが、臨時便で出ますけど……」 「じゃあ、それでいいです」 「でも、1時間ほど待つことになりますよ」 やめた方がいいのでは、と言いたげなねーちゃんに向かって、私はきっぱりと言いました。 「構いません」 今回のオフ会はこの船がメインなので、外すわけには行きません。いきなり1時間待つことになってしまったのは情けない話ですが、ここまで来てあきらめるわけにもゆかないのです。 それにしても、天気はいいし、波も高いわけではなさそうなのに、どうしてそんなことになったのでしょう。 「一体どうして欠航になっちゃったんですか?」 「さあ、会社が違うので、わかりません」 他の船はすべて、東京都観光汽船の経営なのですが、横浜行きだけはコーストウェイズという会社が運航しています。会社が違うというのはわかるものの、委託販売にもせよ切符を売っている以上、欠航の情報くらいつかんでおいて貰いたいもの。もう少し詳しい事情を知りたくて、桟橋のあちこちにいる係員に訊きまわりましたが、みんな判で押したように、 「さあ、会社が違うので……」 さっぱりわけがわからないまま、私は悄然としてみんなに事情を伝えました。船が欠航なのは別に私のせいではないのですが、ホストという立場上、なんだか責任を感じてしまいます。朝にでも問い合わせればよかった。もっとも問い合わせたところで、みんなに連絡を取る余裕はなかったことと思われますが。 まあ、 あとから考えれば、ここで1時間くらい待っていたのはよかったかもしれません。みんなで写真を撮ったり、隣の待合室でしゃべっていたりと、初対面の緊張も徐々にほぐれ、口数の少なかっただーこさんもようやくしゃべるようになってきました。 いきなり船に乗ってしまうよりはかえってなごみの効果があったようでもあります。 しかし、一時はどうなることかと思ったなあ。 14時半の船は臨時便なわけですから、かなりすいているだろうと予測していました。 ところが、出航時刻が近づくと、えらい大人数の団体が、横浜行きの船の乗り場に向かうではありませんか。 「日韓経済協会」だかなんだかの名札をつけた人々で、経済協会なのになぜか眼の不自由な方々がたくさん含まれています。 どうも、この団体さんのために、13時40分の定期便を欠航し、14時半にしたものらしい。 というのは、あわてて乗り場に向かったものの、タラップの前で、 「横浜行きの切符をお持ちの方、恐れ入りますが、その場でもうしばらくお待ち下さい」 と、乗船を止められてしまったのでした。 団体のメンバーがあとからあとから先に乗り込んで行って、座席が次々と塞がってゆくのを、私たちは外からやきもきしながら眺めていました。 団体さんが全部乗ってしまって、いちばん最後の、世話役のような人が、一般乗船者の列に向かって、 「ご協力どうもありがとうございました」 とお辞儀をすると、並んでいた人々の間から一斉に苦笑が漏れました。 まあ、ともかくようやく船に乗れるわけです。席はすっかり塞がっていましたが、とりあえず満足すべきなのでしょう。やれやれ。 |
前へ | 次へ |